【便利機能】Amazon出品「ブランド指標」を活用して認知から購入までのボトルネックを特定する方法
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直近数年のAmazonのトレンドはブランドの保護と活用の強化の動きが見られます。
現在Amazonではブランド権限の所有者に対して、下記のように様々な特典が与えられるようになりました。
- 商品の出品 / 商品情報の編集権限の優遇
- スポンサーブランド広告 / スポンサーディスプレイ広告の配信権限 など
今回解説する「ブランド指標」というレポーティング機能においてもブランド権限の所有者しか使用できない機能になります。
施策の検討や効果測定、Amazon内でのブランドのポジションの確認など様々な使用用途が備わっている機能になりますので、セラーセントラルから取得できるビジネスレポートとは異なる切り口で自社のブランドを観測することが可能です。
今回の記事では、「ブランド指標」の概要、確認方法、各項目の用語解説からブランド指標をもとに考えられるアクションプランまで解説しています。
是非本稿を参考にして自社のAmazonマーケティングにご活用ください。
目次
ブランド指標の概要
はじめに、ブランド指標の概要を解説します。
ブランド指標とは、アカウントやASIN単位で実績が集計されるビジネスレポートとは異なり、ブランドが取り扱うカテゴリー単位で実績が集計されます。
そして、当該ブランドがマーケティングにおける購入プロセス(認知・検討・購入)に沿った形で出力されている点も大きな特徴と言えます。
購入プロセスが進む(認知→検討→購入)につれて、母数は少なくなりますが、購入への関心は強いユーザーとなります。
この3つのプロセスでどの部分に多くのユーザーがいるかを他社と比較することで、Amazon市場における同カテゴリ内の他ブランドと比較した「解決すべき課題」を検討することができます。
▼購入プロセス
ブランド指標の確認方法
前述で触れた通り、Amazon内のマーケティング活動において有用性のある「ブランド指標」のレポートを確認する方法は下記のとおりです。
前提として、「ブランド指標」のレポートはセラーセントラルではなく、【 Amazon Ads 】にて確認するレポートになります。
そのため、セラーセントラルTOPから「広告キャンペーンマネージャー」をクリックし、Amazon Adsに遷移します。
Amazon Adsの左側のアイコン列にマウスオーバーして、「インサイトとプランニング」をクリックすると「ブランド指標」が選択できます。
ブランド指標 概要ページ
ブランド指標のページに入ると、概要のページが表示されます。(各項目の解説は次項で解説しております。)
■「ブランド」
左上のプルダウンタブでアカウントが所有する「ブランド」を選択することが出来ます。
複数のブランドを所持していた場合には、いずれかのブランドを選択し、ブランドごとの集計データが確認できます。
■「カテゴリー変更」
「ブランド」の右横「カテゴリー変更」のプルダウンタブでは、当該ブランドが登録されているカテゴリの選択を行います。
カテゴリが階層化されている場合には、大小の粒度の選択を行い、データの出力が可能です。
■「期間」
右上のプルダウンタブより、出力するデータの「期間」の設定を行います。
期間は「週単位」「月単位」から選択し、最大で12カ月遡ることが可能です。
ブランド指標 詳細ページ
「このカテゴリーでブランドの詳細な指標を表示する(上図赤枠)」をクリックすることで詳細ページに遷移します。
「ブランド」「カテゴリー変更」「期間」の設定は概要と同様です。
詳細ページでは、「認知・検討・購入済み」の3つのファネルの詳細データを確認することが可能になります。
ここまでの解説でデータの確認が行える状態となりましたので、次項では各項目の詳細について整理します。
ブランド指標の用語解説
本項ではブランド指標の項目の詳細について解説します。
前項でも触れた通り、ブランド指標のレポートは「概要」と「詳細」の2つのレイヤーで構成されています。それぞれ各項目について触れていきます。
▼ブランド指標 概要ページ
下の画像は、実際のブランド指標の概要ページの例となります。
これまでのAmazonのレポートでは見慣れない単語もあるかと思いますので、一つ一つ解説していきます。
ファネルパフォーマンス指標
「ファネル」とは日本語で漏斗(じょうご)を指し、広く集客した上で、ふるいにかけられた見込み顧客が、検討・商談、そして成約へ流れる中で段々と少数になっていくことを漏斗(じょうご)の形状になぞらえたマーケティング用語です。
商品・サービスの購買過程をフェーズ分けしたものをモデル化したもので、Amazonの指標では、「認知」「検討」「購入済み」の順で項目が設定されています。
■認知
「認知」では、貴社ブランドを検索したものの、反応を示さなかった購入者の数を測定します。
すなわち、「検索結果画面で商品を閲覧したにもかかわらず、商品ページに訪問しなかったユーザー」の数となります。
■検討
「検討」では、直接、または貴社ブランドを検索した後に商品詳細ページにアクセスした購入者、または購入しなかったもののカートに商品を追加した購入者を測定します。
すなわち、「商品ページに訪問したにもかかわらず、購入しなかったユーザー」の数となります。
■購入済み
「購入済み」では、貴社ブランドから購入した購入者数、またはAmazon定期おトク便に登録している購入者数を測定します。
すなわち、「実際に購入したユーザー」の数となります。
▼ブランド指標 詳細ページ①
つぎに詳細の各項目に触れていきます。
下の画像は、実際のブランド指標の詳細ページの例「カテゴリー全体の指標」となります。
指標名
■購入者のエンゲージメント率
選択したカテゴリーにおいて、選択した期間内にブランドがエンゲージメントを促した、またはブランドから購入した購入者を、選択したカテゴリー内で1回以上の商品詳細ページの閲覧があった購入者の合計で割った割合の範囲。
マーケティングにおける「エンゲージメント」とは、関与度・つながりなどを意味し、企業(ブランド)と顧客のつながりが強まった状態のことを指します。
このことから、「ブランド指標」におけるエンゲージメントには、購入者による商品詳細ページの閲覧、ブランドの検索および商品詳細ページの閲覧、カートへの追加、または購入が含まれます。
すなわち、Amazonの同一カテゴリー内の検討層以上のユーザーの中で自社ブランドが占める割合(※)のことを示しています。
※他社と検討層等が重複するため、全ブランドを足すと100以上になる可能性がある。
■お客さまのコンバージョン率
選択した期間内で、ブランドの検討から購入へと移行したお客さまの割合。検討には、購入者による商品詳細ページの閲覧、ブランドの検索および詳細ページの閲覧、カートへの追加が含まれます。
すなわち、ファネルパフォーマンス指標の「検討」以上のファネルのうち、「購入済み」にあたる層の割合を示しております。
■ブランド新規顧客(%)
ブランド新規顧客の合計の割合。
■定期おトク便をご利用のブランド新規顧客の割合(%)
選択した期間における選択したカテゴリーの定期おトク便をご利用のブランド新規顧客の割合。
■定期おトク便をご利用のお客様
選択した期間における選択したカテゴリーの個々の定期おトク便をご利用のお客様の合計。
購入者に対する用語
次に購入者の内約にある用語の説明をしていきます。
■カテゴリー中央値
選択したカテゴリーにおけるブランドの50パーセンタイルのパフォーマンスです。
※パーセンタイル=測定値を小さい順から並べた時にどどこに位置するか測定する単位。
測定値を99個用意した場合に、小さい方から数えて50番目(ちょうど真ん中)になる値が50パーセンタイル、90番目になる値が90パーセンタイルとなります。
■カテゴリー上位
選択したカテゴリーにおけるブランドの上位95~99パーセンタイルの平均パフォーマンスです。
▼ブランド指標 詳細ページ②
下の画像は実際のブランド指標の詳細ページの例「ファネルパフォーマンス指標」となります。
エンゲージメント対効果(ROE)について
最後に、検討・購入済みにおける「エンゲージメント対効果(ROE)」について、それぞれのファネル内の意味を解説していきます。
■【検討】エンゲージメント対効果(ROE)
下記の図のようにAmazonの説明としては『貴社ブランドを検討したものの、このレポート期間中に貴社ブランドから購入しなかったユーザーが対象になります。エンゲージメント収益率とは、「検討」の購入者がこのカテゴリーのブランドに対してこれまでにもたらした平均収益を測定したものです。』とあります。
すなわち、検討層におけるエンゲージメント対効果とは、検討層のユーザー1人当たりがもたらした売上のことになります。
検討層が1人増えるごとにどれくらいの効果が得られるかわかるので、「認知層」へ広告などの費用をどれほどかけて商品ページへ訪問してもらうべきなのかを整理するのに有効な指標となります。
■【購入済み】エンゲージメント対効果(ROE)
こちらも下記の図のようにAmazonの説明としては、『このレポート期間中に貴社ブランドから商品を購入した購入者が対象になります。エンゲージメント収益率とは、「購入した」購入者がこのカテゴリーのブランドに対してこれまでにもたらした、初回購入後の平均売上を測定したものです。』とあります。
すなわち、購入したユーザーのLTV(顧客生涯価値)*が分かりますので、1人の購入者を得るために広告などでCPA(顧客獲得単価)をどれくらいに設定すべきなのか、整理する有効な指標となります。
*1 LTV(顧客生涯価値)= 1人の購入者が特定の期間(1年間で考えることが多いです)に購入する累計購入金額
*2 CPA(顧客獲得単価)= 顧客を1人獲得するのにかかった費用(Cost per Acquisition / Cost per Actionの略)。リードの獲得など獲得の要件は状況に応じたものとなりますが、ECなどでは獲得の基準を購入にすること(=CPO)が多いです。
以上がブランド指標における用語解説となります。
Amazon独自の定義も含まれるため、データを活用する際には確認しておくことを推奨します。
これまで紹介したブランド指標に使われている用語については下記にまとめられていますので、気になる方は一度ご確認ください。
参考ページ:ブランド指標
ブランド指標から得られるアクションプラン
最後に、ブランド指標をもとに考えられるアクションプランを3つのファネル別に紹介いたします。
ブランド指標では「どの購入フェーズに課題があるのか」を特定した上で、課題を解決していくことが重要となります。
それでは、「認知」「検討」「購入済み」のそれぞれがボトルネックとなっている場合の対応を簡単に整理しましたので、お役立てください。
■「認知」がボトルネックの場合
状況:認知の実数が少ない場合。
対応:当該ブランドの商品やブランドそのものの露出が限定されている状況のため、SEOの向上や広告の活用を中心としたインプレッションの強化が必要です。
具体的には、下記の対策が可能となります。
- スポンサープロダクト広告の入札額を強化して、広告の検索順位を上げていく
- スポンサーディスプレイ広告を活用して、ユーザーとの接触回数を増やす
■「検討」がボトルネックの場合
状況:検討の実数が少ない場合。
対応:当該ブランドの商品やブランドそのものの露出は十分にされてるものの、クリックされない状況のため、メイン画像や商品名の調整、広告のキーワードの最適化を行い適切なターゲットに対して広告が表示させる調整などが必要です。
具体的には、下記の対策が可能となります。
- スポンサープロダクト広告・ブランド広告のターゲットキーワードを見直す。
- 商品のメイン画像をより魅力的な画像に変更する。
- ユーザーに分かりやすい商品名に変更する。
■「購入済み」がボトルネックの場合
状況:購入の実数が少ない場合。
対応:商品詳細ページの充実化等の転換率を高める施策や、同ブランドの商品の広告を商品ページ上に表示させることで競合ブランドへの流出を抑える施策が有効です。
具体的には、下記の対策が可能となります。
- サブ画像の変更や訴求ポイントの見直しをする
- 広告で自社商品へのターゲティングを設定する
まとめ
今回は、ブランド指標に関する解説とデータの活用方法ついてご紹介いたしました。
今後もAmazonからのブランドに関するデータ提供は拡充していくことが予想されますので、ブランドのデータの重要性は増していきそうです。
今回の記事をまとめますと下記のようになります。
- ブランド指標はAmazonブランド登録が完了している出品者が確認できる分析機能
- ブランド指標を用いることでAmazonの市場内で同じカテゴリー内のブランドと購入プロセスに対するファネル(認知・検討・購入済み)の数値比較ができるため、解決すべき課題の設定をすることができる
- 「広告キャンペーンマネージャー」>「インサイトとプランニング」>「ブランド指標」と画面遷移することで確認が可能
- ボトルネック別の対応策
■「認知」がボトルネックの場合
SEOの向上や広告の強化を中心としたインプレッションの強化が必要
■「検討」がボトルネックの場合
広告のキーワードの最適化を行い適切なターゲットに対して広告がインプレッションするような調整が必要
■「購入済み」がボトルネックの場合
競合ブランドへの流出を抑える施策が有効
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